藤沢周平と一青窈
先日、遂に、藤沢周平氏の作品を全部読み終えてしまった…。
藤沢作品との出会いは、一青窈さんの「かざぐるま」がきっかけだった。
一青窈さんの「かざぐるま」が、藤沢周平氏の「蝉しぐれ」(映画)の
挿入歌となり、その歌を聴くうちに、
「蝉しぐれ」の原作を読んでみようと思ったのだった。
当時、テレビの時代劇にも全く興味がなく(今もないけれど…)、
時代物、歴史物もそれほど多く読んはでいなかった俺には、
藤沢作品というのは、自分の好んで読むジャンルには全くない、
異質なものだった。
しかし、「蝉しぐれ」を読んで、他の作品が読みたくなり、
他の作品、他の作品と読み続けるうちにハマり、
遂に全部読み終えてしまった…。
楽しくて何冊も読み進めてゆくということは、
それだけ残りの、読む作品が少なくなるということであり、
それは、連休前や連休の始まりから、
一日一日と徐々に休みが減ってゆく寂しさに似て、少し残念でもあった。
藤沢作品を全部読み終えてしまった今、
俺は軽い喪失感にとらわれている。
日々の楽しみが一つ減ってしまった気がする…。
一言では、いや、俺の文章力では決して言い表すことができないけれど、
とても素晴らしい藤沢周平氏の作品に出会えて、俺は幸せだったと思う。
来夏オープンするらしい、藤沢周平記念館(仮称)には是非足を運んでみたい。
日本的情緒とでも言おうか、そんな世界の美しさで、
藤沢周平さんと一青窈さんは共通するように思う。
そんな世界の良さを感じさせてくれたお二人には感謝したい。