上州の寅次郎、白鳥を見てくる。
ホントは低山でも歩きたかったんだけどさ、
風が少し強げだったんで、断念して放浪することにしたんさね。
車で”放浪”つうのも変な表現だけど、
その辺はあんまり気にしねぇでくんない。
俺にしては珍しく車を東に走らせたんさね。
んで、先ずは利根大堰に行ってみたんさ。
そしたら、橋の上から360°遠く迄見渡せて、赤城、男体山を始めとして、
筑波山や富士山迄よ〜く見えたんさ。
見晴らしは最高だったんよ。
その後、この季節ここ迄来たら白鳥見なきゃなんねんべつうことで、
館林の多々良沼に行ったんさね。
ここには10年振りぐれぇで行ったんだけど、公園が綺麗に整備されてたんで、
どこがどこだかわからなくなっちゃったいね。
それでも駐車場を見っけて、白鳥がいると思しき所迄歩いてゆくと…
白鳥がいっぺぇいたんよ。人もいっぺぇいたけどね。
大体70羽くれぇいたみてぇよ。
真っ白の綺麗な白鳥ばっかりいたけど、
よくみるとちょっと”みにくいアヒルの子”もいたんさね。
今”みにく”くっててもいいんだよ。きっと綺麗になれるかんね、きっと…。
今はそんな状態でも…いつか、きっと…。
頑張れよ!…俺も頑張るかんな!…。
お互いに綺麗になって、羽ばたくんべぇな!
俺はそいつを見て、感情移入しちゃったみてぇだいね。
吹き荒ぶ風ん中、負けずに辛抱してた白鳥達が眩しかったいね。