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寅次郎がゆく!

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おぞましい…

下の記事でnakkyさんにコメントを頂き、
それにより思い出したおぞましい出来事を書いてみたい。




あれは8〜9年前のことでした。
僕らは大学の友人男5人で新穂高温泉のある有名旅館に宿泊しました。
その旅館は露天風呂がいくつかあり、
早めにチェックインした僕らはそれを楽しんでいました。

その日は快晴で、槍ケ岳がよくみえる露天風呂に入っている時、
僕らの背後からシャッター音が聞こえてきました。
振り返ると脂ぎった顔のオヤジが写真を撮っていました。
槍が見える露天を撮っているんだな位に思った程度で、
僕らは別に気にもとめないでいました。

それから間もなくすると、
そのアブラギッシュなオヤジが風呂に入ってきました。
それまで僕らだけで貸し切り状態だったけれど、
人が入ってきたのでそろそろ出ようかと話をしていると、
アブラギッシュ・オヤジは僕らの行く手を遮るかのように先に出てゆきました。

アブラギッシュ・オヤジが風呂に入ったのは僅か1〜2分でしょう。
おかしなオヤジだなぁ、ろくに湯に浸かりもせずと思いつつ、
僕らは脱衣所に向かいました。

すると…、そのアブラギッシュ・オヤジが……。

僕は自分の目を疑いました。
そして、自分の脱いだ浴衣を入れた籠をよく見ました。
けれど、そこには僕の浴衣、
いや、それのみならずパンツさえもありませんでした。
そうです…、
アブラギッシュはヘーキな顔して僕のパンツを…穿いていたのでした…。

僕は怒りを抑えつつ、
「あの〜、…そのパンツと浴衣は僕のだと思うんですけど…」と言うと、
アブラギッシュは「いや、これはオレのパンツだ」と主張します。
(ここで、ヤツを風呂に突き落としたい衝動に駆られました。)
それなので、「いや、そんなことはない。絶対そのパンツは僕のです」と
言いました。
けれど、アブラギッシュは一向に認めようとしません。
僕は、アブラギッシュの持っていたカメラが目についたので、
「そのカメラ、アンタのでしょ?」ときくと、
アブラギッシュはそれは素直に認めました。
続けて、「その隣の浴衣がアンタのじゃないの?」ときくと、
「……」
アブラギッシュは無言のまま、それでも認めようとしない。
(ここで、ヤツの顔を”3分”位湯に浸けたくなった。)
「じゃあ、アンタの穿いているパンツが入ってたこの籠の中に部屋の鍵が
入ってるけど、この鍵見てみない!アンタの部屋のじゃないだろ!
俺の部屋の鍵だ!ということはアンタの穿いてるパンツは俺のってことだろ!」
「……」
どう考えても、アブラギッシュが穿いているのは僕のパンツでした。
アブラギッシュは遂に観念したらしく、漸く認めました。
「えらいすんませんな。”けど、どうしようもあらしまへんな”。へへへ…」
反省の色は全くない…。
(ここで、ヤツを風呂に沈めたくなった!)
一見、言葉は丁寧ぽく、礼儀正しく思えたが…、
実際は尊大でとても無礼に感じた。
慇懃無礼とはこのことを言うようだ。
本当にアブラギッシュを風呂に沈めたくなった。

最悪だった。
他人、しかも脂ぎったオヤジに自分のパンツを穿かれ、
その上、それを脱ぐ所を目のあたりにするなんて…。

慇懃無礼なアブラギッシュは本当に何もしない。
誠意の欠片もなかった。

僕は怒りを押さえつつ、バスタオルを腰に巻いただけの姿で
フロントまでかけあがりました。
フロントの人に事の詳細を話し、新しい浴衣をお願いすると、
それを部屋まで届けてくれるとのことでした。

僕は急いで新しいパンツを取りに部屋に戻りました。
しかし、……。
ない。
パンツが…ない…。
こんな時に限って…、パンツの替えを忘れたのでした…。
それまでただの一度も替えのパンツを忘れたことなどなかったのに…。
僕はとてもブルーな気分になりました。

情けない気分のまま、あのアブラギッシュに穿かれたパンツ
を持って内湯に行きました…。
そこで何度も何度もパンツを”熱湯消毒”し、
何度も何度も石鹸でキレイに洗いました。

「幸せの黄色いハンカチ」ならぬ”不幸せのペイズリーのパンツ”は
ハンガーにかけ、窓の外に干しました。

パンツが乾くまで、当然のことながら僕はずっとノーパンのままでした…。

夕食は部屋食だったので助かりました。
他の客と一緒に夕食だったら、下半身が気になり過ぎて、
気が気ではなかったと思います。

朝早く起き、ずっと運転してきた上に、おぞましい出来事に遭遇した僕は、
夕食後に疲れと酒の酔いがまわり、すぐに眠りにおちてしまいました。

目が覚めると、みんなは二次会をやっていました。
パンツはそろそろ乾いたかなぁと思って立ち上がろうとすると、
「あっ、夕食後雷雨になったんでパンツは雨で濡れちゃったよ。
だから、部屋に入れておいたけど、まだ乾かないんじゃない!?」
「……。あっ、ありがとう…」
つくづくツイてないと思いました…。
と同時に、アブラギッシュへの怒りがこみ上げました。

それにしても…、あのアブラギッシュの行動は本当に意味不明です。
酒を飲んで酔っていた風もないのに、自分のパンツがわからないなんて、
頭がおかしいのにも程があるって感じです。
貴重品であるカメラ(一眼)を自分の脱いだ服の隣に置いているんだから、
それだけで自分のパンツの在処がわかると思いますし、
パンツを穿いて、「このパンツ、きついな」と思わなきゃ絶対におかしいです。
なぜなら、当時僕の身長体重はナイナイの矢部と全く同じ、
かたやアブラギッシュは長州小力みたいな体型なんですから、
パンツを穿けばきついかどうかすぐにわかる筈です。
体型違い過ぎだろ!って…。
それなのに…。

ちなみに、そのアブラギッシュ、翌朝食堂で見掛けたら、
周りの迷惑も顧みずにバカデカい声で話していました。
慇懃無礼も慇懃無礼ですが、社会性のないオッサンだったんでしょうね。

おぞましい記憶が染み込んだパンツ、
もったいないけど帰宅後に捨てました…。

こんなおぞましい出来事に遭遇した人はほとんどいないでしょうね。
こんな経験はもう二度としたくありません。
温泉に行く度、必ずこのことを思い出します。
ある意味、トラウマですね…。

市川寛子さんのような綺麗な女性に、
間違えてバス・タオルを使われてしまったというなら
甘美な想い出になったでしょうが、
アブラギッシュ・オヤジに自分のパンツを穿かれるなんて…。
未だに僕の心の傷は癒えていません…。

誰か(市川寛子さんのような女性希望!)、僕の心を癒して下さい!
by torajiro-joshu | 2007-01-29 22:26 | 一思案

私、寅次郎の好きな山、温泉、食べ歩き、愛犬(パグ)等に関して気ままに綴っていきます。


by torajiro-joshu