寅次郎がゆく!

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巻機山  

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たおやかな稜線を歩くO氏。
木道脇には数多くの池塘が存在する。
夏ならば多くの高山植物が咲き誇るらしい。
さぞ綺麗なことだろう。
雲上の楽園といった風情なのかもしれない。

冬の支度を始めつつある稜線に向かって歩いた。




今夏、奥穂〜西穂縦走の時にお世話になったO氏と
巻機山に登ることになった。
約2ヶ月振りの再会である。
こういったことは初めてだが、O氏の力はわかっているので、
心配なのは天気と自分の体力のみだった。

登り口の駐車場に付くと、そこは9割がたうまっていた。
百名山ブームの影響なのだろうか?
それにしてもすごい賑わいだ。

地元のO氏のお薦めで、
ヌクビ沢から天狗尾根に取り付き、巻機山塊の西に位置する
割引岳を直登するルートをゆくことになった。

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沢コースに入るとすぐに天狗岩(中央のとがったピーク)が見えた。
その右隣には割引岳東のピーク?が見える。

休耕田のような所の畦道を少し歩くと、樹間の歩きとなる。
紅葉はもう終わりかと思っていたが、標高が800mを切る
この辺りは紅葉が見頃だった。
期待もしてなかったが素晴らしい紅葉がまぶしかった。
登山に来て綺麗な紅葉を観られるのは久々だったので、
ちょっともうかった気がした。

ほんの少し樹間を歩き、すぐに沢沿いの道に出る。
巨岩が積み重なる沢の道をグングン進んでいった。
水量が多ければ大変だろうが、あまり多くの水が流れてる
わけではないので、岩場を歩くような感覚で
楽しみながら歩いた。

途中、先行するパーティに追い付く。
少女がヤッホーと叫んでいた。
結構危険な場所でヤッホーと叫ぶその姿に、彼女の余裕を
感じられたが、ちょっとミスマッチのような気がした。
抜いた後でも、沢は意外に下方迄見えるので、気にしてみたが、
他の登山者が時折見えるだけだった。
その後も少し気がかりだった。
それはO氏も同様だったようだ。

記憶は薄れてしまったけれど、巨岩が重なる様は
大樺沢に似ているような気がした。
少年の日の夏を思い出し、なんだか懐かしい気持ちになった。

コースを右に左に取りながら、沢をつめてゆく。
これが沢歩きというのかどうかわからないが、かなり楽しい。

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大きな岩の斜面を流れる水が滝となって下へと滑り落ちてゆく。
それを横目に登ってゆく。
途中、鎖やトラロープが現れる場面もあり、
危険そうな感じもするが、かなり楽しい。
高度感があまりない分、そう感じられるのかもしれない。

危険そうなところではちゃんと集中しつつも、
いろいろな話をしながら進んでゆく。
ずっと話しながら進んではゆくものの、先をゆく
O氏のペースは結構早い。
わかってはいたものの、やっぱり強い!

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沢をガンガン登り、振り返ると大源太山が中央に見える。
尖っているその姿を見て、”上越のマッターホルン”と言われる
意味があらためてわかった。
そこから観る大源太は本当に尖っていた。
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沢を登ってきたぞ!という風景だ。
こういった雰囲気を味わうことはほとんどないので、かなり新鮮だ。
見慣れぬ景色が自然に顔を綻ばせる。
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天狗岩が眼前に迫ってきた。紅葉の中を”岩の川”の白が走る。
下の方は紅葉がまぶしく、中程は冬の準備を始めた樹々が
落ち着いた色を見せ、見上げると空の青がこれまたまぶしかった。

割引沢とヌクビ沢の分岐まで来ると、赤いペンキで天狗尾根(割引沢)
方面の矢印だけでなく、御丁寧に『ツライ』と書かれていた。

針路を左に取り、割引沢を登ってゆく。
途中、5〜6畳程はあろうかという雪渓の残骸のような雪の塊が、
ノアの箱舟のように斜面に乗っかっていた。
その先は鋭く削られていて、怪しく光っていた。

沢を登る途中、複数の別の人がマークしたのではないか
と思われるマークに多少困惑しつつも、漸く天狗尾根に取り付いた。
のっけからかなりの急勾配で、しかも濡れた岩を鎖をたよりに
登ってゆく。
そこを越えるとあとは土の道となるが、ここは本当に急勾配だ。
胸突き八丁とは正にこういう道だといわんばかりの道である。

そこを登りグングン高度を上げてゆくと、左手に黒くなった
まだまだ大きな雪渓が見えた。
黒くなった雪渓は”チョコ多めのチョコチップアイス”とでも
いったような姿だった。

下草は刈られているものの、あまり多くの人に踏みしめられて
いないであろうこの道はかなり歩きにくい。
ただ急なだけでなく、少しウェット気味なので、
本当に歩きにくかった。

それでも頑張って登り天狗岩を目線より低く感じられるように
なって間もなくすると、突然視界が開け、東側に明るい山並が見えた。
すぐ目の前に見える山並は井戸尾根だった。
前方やや右がニセ巻機、正面が巻機山最高点のようだった。
新しくなったという避難小屋も見えた。
少し暗い感じのところから明るいところに出た気分は
かなり爽快だった。
霜もあり湿った感じの道から乾いた感じの道に変わった。
枯れ草色と笹の緑色の対比が綺麗だ。

景色を楽しみながら登ってゆくと小さな池が現れた。
天狗池というらしい。
昔登った谷川東方の朝日岳を思い出した。
それにしても…天狗という名前の付く所はよくある。
そして、それは一様に見晴らしが良かったり、綺麗な場所だ。
素晴らしい景色のところにしばしば訪れる、
この山岳界の一大勢力とも言うべき!?天狗軍団の一員に
俺もなりたいと思った。
これを読んでいたら、天狗さん、至急連絡下さい。

胸突き八丁から比べれば、かなり緩やかになった尾根を
緑に覆われた頂上目指して登っていく。
上越の山はどうしてどこも笹が多いのだろう?
上越国境の山というと笹をイメージしてしまう。

頂上を目の前にする頃になって、
滑りやすい道に悪戦苦闘していたり、ちょっと気を抜いて歩いていると
O氏が5〜10m程先を行っていることが多くなった。
この頃、俺はふくらはぎに軽い疲労をおぼえた。
一向に変わらないペースでガンガン登ってゆくO氏は疲れることを
全く知らないようだ。
本当に強い!
そのO氏になんとか付いてゆこうと思ったが、まだ長い下りが
残っていることを考えれば、無理はしない方がいいと思い、
10m内外の間隔を目安に付いてゆくことにした。

もうそろそろ頂上じゃないかな?と思った頃、先行するO氏が
「オッ!」と声をあげた。
見上げると白いプレートのようなものがチラッと見えた。
果たして、頂上だった。
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割引岳山頂。
山頂には誰もいなかった。
すぐ下のヌクビ沢との分岐には人が結構いたが、
山頂は誰もいなかったので、景色を”二人占め”にした。
けれど、思いの外、空は澄んではなく、
遠くの山並はハッキリとは見えなかった。

巻機山最高点に向かう道は、さっきまでのキツい登りが
嘘のようにゆるやかだった。
朽ちたような木道をゆっくり歩いてゆくと直に頂上となる。
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巻機山頂(御機屋)の道標。だが、ここは本当は頂上ではない。
最高点はもう少し東にある。

御機屋から牛ヶ岳までは本当にたおやかな稜線だ。
草原のような感じでハイジでも出てきそうな雰囲気だ。

池塘の点在する、たおやかな稜線をゆったりした気分で歩いた。
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池塘には静かに雲が映っていた。
夏ならば昼寝したくなりそうな場所だった。

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牛ヶ岳から東にのびる稜線は一面の笹野原となっていた。

御機屋に戻り、ゆっくり昼食を摂る。
O氏にいただいた”濡れおかき”を焼いたもののと
ハンペンのようなものを焼いたものがすごく旨かった。
思わずビールが飲みたくなってしまった。

休んでいると風がどんどん強くなってきて、体が冷えた。
風を避ける場所が全くないので、
休んでいる登山者は誰も寒そうだった。

下山開始の準備を始める頃、”ヤッホー・ガール”の
パーティがやってきた。
どうやら自分達と同じ天狗尾根コースを登ってきたようだった。
彼女の顔が逞しく、大人びて見えた。

井戸尾根を一気に下り、避難小屋に来ると風はさほどなく、
おだやかな感じだった。
どうやら上の方だけ風が強く吹いていたらしい。

避難小屋は昨年改修されたというだけのことがあり、
中はかなり綺麗だった。
かなり綺麗な避難小屋だったので、ビックリした。
いつか泊めてもらうのもいいかもしれない。

小屋からニセ巻機に登り返した後はもう下るのみ。
冬の準備を始めた山から秋真っ盛りの山へと、
下るに従い時間の流れを逆行するように
鮮やかな世界へと戻っていった。


コース・タイム
桜坂駐車場(-/7:04)〜1040m付近(7:56/8:00)〜
1480m付近(9:00/9:05)〜割引岳頂上(9:56/10:00)〜
御機屋(10:18)〜牛ヶ岳(10:41/10:43)〜
御機屋(11:03/12:00)〜桜坂駐車場(13:27/-)

紅葉あり、プチ沢歩きあり、ノンビリ歩きありと
バリエーションに富み、かなり楽しい山行だった。
それにしても…O氏は健脚を越えて”鬼足”だった。
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Commented by 小野澤 at 2006-11-08 22:29 x
見ました。次の日、なめこ取りに行きました。時間切れ寸前でなんとか取ることができました。もう一回くらい行こうかなあ。
Commented by torajiro-joshu at 2006-11-08 23:58
>小野澤さん
ようこそ。そして、ありがとうございます。
翌日、なめこ取りに行ったんですか!
収穫があったなら良かったですね。
それにしても…タフですね〜!
翌日、俺は軽い筋肉痛でした…。
小野澤さんの歩きをみて、俺も鍛えねば…と思いました。
by torajiro-joshu | 2006-11-04 23:59 | 山歩き | Comments(2)

私、寅次郎の好きな山、温泉、食べ歩き、愛犬(パグ)等に関して気ままに綴っていきます。


by torajiro-joshu