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寅次郎がゆく!

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船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)

夜中の2時頃だろうか、ふと思い立ち、外に出てみた。
空は曇天。
厚い雲が空を覆い尽くしていた。
空気は、この時期にしては暖かい。
至って静かで、台風が近付いているとも思えない。

いつから降り出すのだろう?
このまま、下山して七倉まで降らないといいな。

今シーズン最後のお客さんを送り出し、小屋閉め前の最後の片付けをする。
布団等を梱包したり、食器をそうしたり…。
船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)_a0094280_17371285.jpg

船窪のお母さんが一足先に下山。
寂しくて、追いすがる!?Mさん。(笑)

小屋のスタッフとボランティアは、この後も暫し片付け。



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小屋の鐘と看板が下ろされる。
船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)_a0094280_17373780.jpg

おつかれさま。

今年も、この看板は何人のお客さんを出迎え、見送っただろう?
そして、船窪小屋名物の!?この鐘も、一体何人のお客さんを出迎え、
見送っただろう?

多分そこにはいつも笑顔ややさしさがあふれていた筈。
それを見守った看板と鐘、今年もありがとう。
また来年もよろしくな。

もう本当に今シーズンも終わりなんだなぁ…と感慨に耽っていると、
まだまだ頑張っているお嬢さんを発見!
船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)_a0094280_1737289.jpg

小屋脇のコマクサは、葉は枯れ気味だけど、
花は未だ鮮やかに咲いていた。

キミもありがとう。
そこに咲いていてくれて。
キミが咲いていて、嬉しいよ。

断続的にパラパラと落ちていた雨が、
いつしか本降りの気配。
船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)_a0094280_17374564.jpg

玄関前から、いつもの風景。
針ノ木、立山方面を望む。

最後の最後に、雨か…。
船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)_a0094280_17375385.jpg

雲はどんどん厚くなる。
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それでも、不動も烏帽子も三ッ岳も見えている。
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船窪岳、船窪第二高点も意外に綺麗に見える。

周りの山々が、まるで俺達が下山するのを見送ってくれているよう。

小屋閉め作業を終えたら、ボランティアのメンバーは、
各自の脚力と都合にあわせ、パラパラと下ってゆく。
それと、雨脚の強弱の読みも加味しながら…。
船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)_a0094280_17381325.jpg

閑散とした小屋も、俺達と同じく、なんだか寂しそう。

今日一日たった一人で残るスタッフの智くんと、
道しるべの会の男衆三人が囲炉裏端に集まり、
静かな、いや、爆笑の時を過ごす。

12〜13時の間に七倉で、今回参加の道しるべの会の会員で集まるのだが、
それに間に合えさえすればいいので、男衆三人は、雨脚が一時弱くなるのを
待っているのだった。
もちろん、今日独りで残る智くんが可哀想なんで、ギリギリまで
小屋に滞在するという意味合いもあった。

スマホで雨雲のレーダーによる状況を観察しつつ、
雨脚が弱くなったのを見計らい、男衆三人は船窪小屋をあとにする。
智くんに見送られながら…。

智くん、明日無事に下ってくれ!
そして、船窪小屋よ、ありがとう!
また来年来るよ!

台風が近付きつつあるという割には、
そんなに酷い雨ではない。
船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)_a0094280_17382136.jpg

七倉ダムも、その周囲の山々も見えている。
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雨の中でも短パンのMさんが速い!
大きい荷物を背負ってるのに速いのだ!

気を抜くと、置いていかれそう…。

いつもはノンビリを装っているが!?本気を出すと、さすがに速い!
さすがに、道しるべの会のメンバーは強者揃いだと、改めて思う。

天狗の庭より下の樹林帯に逃げ込めば、こっちのもん。
おそらく、台風が来ても、なんとかはなりそう。

この後、Mさん、Hさんと、各自の都合、ペースにあわせて、
バラバラになりながらも七倉を目指す。
船窪小屋 2014 小屋閉めの頃(3日目)_a0094280_17383663.jpg

今年最後となる岩小舎で休憩。

腹が減ったので、パンを食らう。

途中、先に出た、船窪のお母さんやメンバーの人達に追い付く。
ベンチまで一緒に歩き、小休止の後、所用で俺だけ先に下山。

大雨に見舞われることなく、無事に下山できた。
もちろん、他のみんなも…。

本当に良かった。

船窪小屋のボランティアである道しるべの会に正式に入って、
今年で2回目の小屋閉めを無事迎え、そして、終えることができた。

正直言って、船窪小屋への一番近い入山口の七倉からの道である
七倉尾根は、何回登っても、かなりキツい。
けれど、そこを登った後に辿り着いた船窪小屋は、とてもあたたかでやさしい。

俺が山小屋のボランティアをしてるって言うと、よく「えらいね!」とか
言われるけど、本当のところ、ザックリ言うと、自分が山小屋を助けている
のではなく、実際はその逆で、助けられているような気がする。

そこに行くと、いつもそこには笑顔があり、やさしさがある。
そこで俺は、日々の生活の中で失った何かを再び
取り戻してゆくような気がしてる。

船窪小屋で顔をあわせるお父さん、お母さん、スタッフは勿論のこと、
道しるべの会の仲間は、誰もがみんな魅力的で、素敵な人達。
そんな人達と同じ時を過ごせる幸せを今更ながら感じている。

そんな幸せをわけてもらった俺だから、
船窪小屋を訪れた人達が少しでも笑顔になれるよう、
来年以降も、微力ながら、船窪小屋のボランティアを
楽しく続け、彼彼女に還元してゆきたい。

船窪小屋関係者のみなさん、どうもありがとうございます。
また来年もよろしくお願いします。



[コースタイム]
船窪小屋(-/9:43)〜天狗の庭(9:58)〜鼻付八丁(10:18)〜
岩小舎(10:33/10:43)〜ベンチ(11:23/11:37)〜七倉(11:55/-)
by torajiro-joshu | 2014-10-13 23:59 | 山歩き

私、寅次郎の好きな山、温泉、食べ歩き、愛犬(パグ)等に関して気ままに綴っていきます。


by torajiro-joshu