船窪小屋、2014小屋開け作業手伝い。(2日目)
しかし…。
頭の上、重くのしかかったような雲は、ずっと空一面を覆ったまま。
北葛岳も頭を雲に隠したまま。
大町の街も、ここより更に低い雲に覆われている。
裏銀方面の山々も、おそらく2500m付近を境に、
安定して!?雲に呑まれている。
ヘリは飛ぶのか?飛ばないのか?
誰もがやきもきしながら空の様子を気にしている。
今日飛ばなかったら、せっかく船窪小屋まで登ってきた甲斐がないに等しい。
少しは小屋開け作業の手伝いはできたとはいえ、飛んできた荷物の
運搬整理をできないのだから…。
そしたら、今回15〜16人ほど手伝いがあがっていたが、
明日以降小屋スタッフ+数名の手伝いでやるしかない…。
飛んでくれ!
祈る。
けれども、空は一向に微笑む様子はない。
ダメか…!?
ヘリの会社と連絡を取る。
今日予定の烏帽子、野口五郎、晴嵐荘の後にこっちにきてくれるらしい。
こんな曇天でも飛ぶんだ!とわかったものの、
船窪小屋に荷物を運ぶまで天気がそこそこもってくれる保証はない。
もってくれ!
ひたすら祈る。
一先ず、小屋内で待機。
待ってる間にも、窓から外を見ると、雲が切れかけたり、
また厚くなったり。
居ても立ってもいられず、外に出る。
やはり、上空の雲は取れない。
それでも、飛行経路らしい、高瀬ダムから船窪岳への
谷までは雲はほとんどない。
下から連絡が入る。
雲の状況から、晴嵐荘の後に船窪小屋に来てくれるらしい。
外に出ていても、どうにもならないのだが、不動方面を
ボーッとみていると、突然爆音が近付いてきて、白い機体が飛来してきた!
おっ!いきなり!?
数人の仲間とそれを見て、沸いた!
しかし、機体はすぐに引き返した。
えっ!?
期待は失望に変わった。
だが、後でわかったのだが、晴嵐荘に荷物を運んだ後、
こちらの様子を見にきたのだったらしい。
今度は、失望は期待に変わる。
よし!じゃあ、もうすぐ来るな!と、みんな明るい顔で待ってはいるが、
なかなか来ない。
小屋裏に行ってみたら、七倉荘の上空付近でヘリがホバリングしていた。
それをみんなに告げると、みんなが見にいったが、ヘリはなかったらしい。
えっ!なんか俺、オオカミ少年みたいやん…。
それから暫く待つと、機体はやってきた!
最初は、船窪小屋のお父さんを乗せてきた。
お父さん、ヘリで登場なんて、ジェームス・ボンドかと思った!(笑)
その後、安定して雲がかかりつつも、谷間だけはなんとかクリアーなようで、
それでも、決して好条件ではないだろう中を、ヘリは5〜6回飛んできてくれた。
間近で見るヘリは大迫力だった!
運搬された荷物を解いては、次の運搬に備え、
ヘリポートを綺麗にする。
みんな一生懸命に動き、どんどん作業を進めていった。
最終の運搬が終わると、野菜の保存の為の作業をしたり。
さすがにランプの山小屋。
いくら下界に比べ涼しいとはいえ、そういったことでモノを
長持ちさせる知恵がある。
こういった知恵や、手間を惜しまぬ気持ちがあれば、
何にでも電気頼りで、電気不足電気不足の誤った宣伝に
騙されなくとも済むのにね…なんて思いながら作業を進めていた。
作業の合間に撮ったコマクサ。
今年一番早く船窪小屋で咲いたコマクサ。
もう夏なんだね〜!
あらかた作業が終わり、お昼をいただく。
いつもおいしいのだが、昨日のお昼より更においしい!
作業の心地良い披露が上等なスパイスとなってるのであろう。
昼食後は、今年の船窪Tシャツのお披露目。
早速一枚購入。
今年はそれを山で着てみよう。(笑)
いやはや、それにしても良かった。
少しは力になれたであろうとホッとした。
作業が終わるのを待っていたかのように、さっきまでの断続的な雨が、
しっかりとした雨に変わってきていた。
雨が弱まるのを少し待って、下山に取りかかる。
残った仲間と鐘の音に見送られて…。
未だ雪残るお花畑付近。
下山は、道しるべの会入会同期のEさんと。
彼女とは入会同期なだけでなく、年も一緒だった!
もっとも、年と言っても、それは干支のことで…、以下省略。
Eさんとは初めて歩いたが、とても下りが上手いと思った。
さすが、色んな山歩いてるだけのことはある。
体力もあるし…。
天狗の庭からは、これでも今回一番の展望と天気。
高瀬ダムがよく見えていた。
相変わらず、2500m付近には雲がかかっていたけれど…。
次回船窪小屋に来る時は、もっといい天気であればいいな。
また来るぜ!
Eさんと俺はのんびり下っていった!?
いや、Eさん、結構速いので、いい感じで下っていったのでありました。
Eさん、ありがとう。
今回、小屋開け作業手伝い初参加だったが、本当に行けて良かったと思う。
個人的には、今年も頑張ったね!といった感じの小屋閉めよりも、
多少の不安は抱えつつもワクワク感に満ちた小屋開けの方が楽しい気がした。
どちらも大切な作業だけどね。
7月1日、2014年の船窪小屋の営業が始まります。
七倉尾根は、正直言って、楽ではない。
烏帽子から来ても、針ノ木から来ても、針ノ木谷古道から来ても、
どこから来ても楽でない。
けれど、船窪小屋には、素晴らしい展望と、それよりも何よりも、
あたたかさ、やさしさに満ちた雰囲気がある。
俺はそう思う。
拙ブログをご覧になった方、是非船窪小屋に泊まりにきて下さい。
本当の山小屋がそこにあります。
[コースタイム]
船窪小屋(-/13:26)〜天狗の庭(13:46/13:51)〜
ベンチ(15:19/15:35)〜七倉駐車場(16:00/-)