寅次郎がゆく!

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蓮華岳に登り、針ノ木谷古道を歩く。(1日目)

日付が変わる頃に扇沢の駐車場に着いた。
途中、路面は雨の名残を残していたものの、
雨はやんでいた。

途中で買ったビールを飲んで、明日の山歩きに思いを馳せ、眠りにつく。

3時頃目が覚めたので、外に出てみる。
案外暖かい。
Tシャツでも大丈夫なくらいだ。

コンタクトを外していて、よくわからなかったが、
満天の星空が微笑んでいた。
今日は、きっと好展望が期待できよう。

明け方、寒さで目が覚めた。
さすがに明け方となると冷えるようだ。
喉に少し違和感を感じる。
薄着で寝たことを後悔した。

登山道入口で登山届けを出し、出発。

うねるように走る車道を貫く登山道を歩く。
笹に付いた夜露が冷たい。

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車道と別れる広場のようなところまで来ると、
針ノ木岳の稜線がハッキリと見えた。
空は秋の訪れを告げていた。

さて、ここからは完全に登山道だ。
コースタイムも長い。
気を引き締めてゆこう!



比較的ゆるいアップダウンを繰り返しながら、大沢小屋へと向かう。
思いの外、暖かく、汗が吹き出る。

針ノ木峠までの登りだけでみるなら、ここはまだ足慣らしといったところか。

やはり、喉に違和感が少しあり、なんとなく頭が思い。
けれど、だましだまし登ってゆく。
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大沢小屋に着くと、有名なレリーフがあった。

「山を想えば人恋し、人を想えば山恋し」
百瀬さんの有名な詩が刻まれている。

もっと大きなレリーフかと思っていたが、
案外小さいので、ちょっとビックリした。

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小屋を過ぎ、針ノ木大雪渓を…望む…!?

夏を越え、大雪渓は、悲しいくらいに小さくなっていた。
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それでも、近くまで来ると、デカい。

ぱっくりと口を開けた様は、なんだか不気味な
世界への入口を連想させた。
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一方、振り返ると、そこには穏やかな風景が広がっていた。

爺ヶ岳の向こうには、鹿島槍の双耳峰が微かに見えた。
あんな風景だったんだな…と、晴れているのに、ビミョーに悲しくなった。

気を取り直して、歩き出す。

崩壊した雪渓の為、そこは当然歩けず、高巻き道へ…。
しっかり整備されてはいるが、案外険しい。
遠回りの道なので、意外に時間がかかる。

そんな高巻き道を越え、谷の中の道を、谷底を間近に見ながら登ってゆく。
やがて、つづら折れの急な道が現れる。
そこには先行する登山者の姿がチラホラと見えた。
そこを登ると、目の前の小屋が現れた。
そこは針ノ木峠だった。

自分の中の目標の9時にはなんとか着いた。
これで、この後の行動スケジュールも明確に見えてきた。

とりあえず、今日のコースの約半分は終わったと言えよう。
喩えるなら、先発投手がゲームを作ったようなもんか。
あとはセットアッパーがゲームをコントロールし、
最後にクローザーがしめるだけ。
とは言え、まぁ、全部それを俺独りでやるんだけど…。
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小屋脇に出ると、穂高、槍から裏銀の山々の姿が目に飛び込んできた。
遠くに富士山も見えた。
今日のコースの手前の山には少し雲がかかっているものの、
実にいい天気、いい展望!

今日の行程のペースを作る為に、これまであまり休まなかったので、
ここでのんびり。
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陽の当たる小屋の南側に移動する。
そこからは針ノ木岳が大きく見える。

汗冷えしそうな体も、陽射しがあたためてくれた。

ここで、隣に居合わせた、地元から登って来られたというYさんと意気投合。
経験豊富なYさんと色々な山の話をさせていただき、とても楽しい時間を過ごす。

おまけに、自家菜園で作ったというトマトをたくさんいただく。
せっかく担ぎ上げたそれらをいただくのは気がひけたが、
ご厚意に甘えさせていただいた。

そのトマト、いろんな種類のものがあったが、
どれも瑞々しく、最高にウマかった。

Yさん、ごちそうさまでした。
とてもウマかったです。

一足先に蓮華へと向かうYさんを追いかけるように出発。
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なだらかな稜線が実に気持ちいい。

しかし…。
針ノ木峠に向かう途中から感じていた両足の付け根部分がビミョーに痛い…。
普段はそんなところは痛まないのに…。

よって、なかなかペースが上がらない…。

こりゃ、セットアッパーもクローザーも大変だろうな…。
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実に気持ちのいい景色の雲上散歩。

風が吹けば、ちょいと肌寒いくらい。
吹かねば、暑いくらいの中、景色を楽しみつつ、
足の痛みを我慢しつつ、一歩一歩歩いてゆく。
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頂上直下は、本当に穏やかで、とてもいい感じ。

時間があれば、昼寝でもしたいくらいの雰囲気。
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頂上付近の草は早くも紅くなっていて、秋の山を感じさせる。

蓮華の大下りからは、船窪方面から登ってきたと思しきパーティも見えた。
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三角点手前の若一王子神社奥宮。
バックには劔も見える。

ここで安全登山を祈願し、三角点で休憩することにする。

そこでもYさんと楽しく話し、お互いの無事の下山と再会を誓い、
Yさんは針ノ木岳へ、俺は船窪小屋へと向かう。
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蓮華の大下り方面。

最初は比較的なだらか、そのあとガツンと下る。
最低鞍部は雲の中だ…。
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やはり、進行方向はガスってきている。
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けれど、振り返れば、針ノ木岳方面は未だ綺麗に見えている。

天気のイマイチな方に向かう…。
微妙な心境。
それでも、涼しいからいいや!と自分を慰める。
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鎖の連続する場所に来た。

蓮華の大下りと、名前こそ結構カワイイが、
その実、結構厳しいルート。
天狗の大下りよりは遥かに険しいと、個人的にはそう感じる。
その急さ加減、鎖場の多さ、いずれも蓮華の方がハイ・レベルと思う。

下りはなんとかごまかせるが、登りでは足の付け根が、やはり痛む。
なので、いまいちペースが上がらない…。
この先繰り返すアップダウンに不安になる。
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北葛岳頂上。

展望も全く期待できないので、ここでは休まずに先に進む。
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途中、また雷鳥を見かける。(写真中央より左斜め下位の岩の上にいます。)

それにしても、今夏はよく雷鳥を見かける。
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ダケカンバの中をゆくルート。

これはこれで綺麗だが、よくよく考えると、
かなり下ってきたのだなと、あらためて思わされる。

ここを下り、また鈍い足取りで登り返す。

足の痛みを抱えながらも、一踏ん張りすると…、
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七倉岳頂上。

ここまで来れば、こっちのもの。
あとは慎重にしめるだけ。

軽くアップダウンする道を歩きながら、船窪小屋へと向かう。

小屋が見える頃、小屋のスタッフが、歓迎の鐘を鳴らしてくれた。
前回もそうだが、感激である。

着くなり、おいしいお茶を出してくれ、またサンダルも用意してくれた。
嬉しい心遣いである。

小屋前のベンチで休んでいた登山者やボランティアの方と楽しく話をした後、
チェックインして、ビールで喉を潤した。

水を汲みに有名な水場まで行こうと思ったが、
ビールを飲んだら軽く酔いがまわり、イヤになってしまった…。

この辺はちょっと反省点である。
とは言え、足の付け根の痛みを考えれば、
それはそれで良かったのかもしれない。

ビールを飲んだ後、入念にストレッチとマッサージをし、
夕食までの時間、のんびりした。
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船窪小屋の魅力のひとつの、とてもおいしい夕食。

いやはや、わかってはいるが、本当に最高である。

今回も外のベンチで夕食をいただいたが、
この日はイマイチの展望で、まわりの山々は見渡せなかった。

それでも、夕食後には雲が段々と切れてきた。
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針ノ木岳が姿を現し、奥には劔もちょっと姿を覗かせた。
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立山方面も姿を現し、残照が眩しかった。
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今日歩いた蓮華から北葛の道も、夕方にはハッキリと見えた。

歩いている時にはガスに包まれ、展望はきかなかったが、
夕方になって晴れるとは…。
それでも、涼しかったので歩き易かったと思うことにしよう。

夕暮れ後、星が瞬く頃に小屋から出てみた。
すると、スーッと流れ星がひとつ。
山で初めて見た流れ星に感激した。

夕食後、恒例のお茶会に参加し、針ノ木谷古道復活のドキュメントDVDや、
小屋のお父さん、お母さんの楽しい話、
スタッフのペンバさんやボランティアの方の歌声を堪能し、
とても楽しい夜を過ごした。

寝る前に再び外に出ると、もう星は見えなくなっていた…。
明日晴れますように願いながら、布団に潜りこんだ。



[コースタイム]
扇沢(5:44/6:03)〜大沢小屋(6:47)〜橋(7:13)〜
ノド[高巻き 2110m付近](7:47/7:57)〜針ノ木小屋(8:50/9:38)〜
蓮華岳頂上(10:27/10:52)〜北葛岳手前[2430m付近](12:08/12:21)〜
北葛岳頂上(12:37)〜七倉乗越(13:03/13:08)〜七倉岳(13:48)〜
船窪小屋(13:55/-)
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Commented by でん at 2012-09-29 10:11 x
蓮華はなかなかドッシリとした山ですね。
葛への稜線も良い感じだし、歩いてみたいです。
針ノ木小屋で朝の9時なら十分種池まで縦走可能な時間になりますね。
寅次郎さんなら日帰りも余裕でこなせると思います。
前回に続いてまたしても船窪小屋、魅せられちゃったのですね~(^^)
Commented by torajiro-joshu at 2012-09-30 06:59
★でんさん、こんにちは。
蓮華岳は、船窪岳側から見ると、かなり大きな感じがしますね。
蓮華の大下りから北葛岳の稜線は、
なかなか骨のあるルートでした。
面白いと思うので、でんさんも是非!

扇沢〜針ノ木〜種池〜扇沢は、日帰りも可能でしょうね。
ただ、30km以上あるみたいなので、
あんまりやろうとは思わないですけど…。

船窪小屋、最高ですよ!
小屋泊まり山行の時には、でんさんも是非泊まってみて下さい。
Commented by よしくに at 2012-10-06 07:18 x
蓮華から先の裏銀座コースは、まだ未踏
栂池から蓮華までは繋がってるんだけど、
その先は日程が厳しいですね
蓮華の大下り、そんなに厳しいんですね
蓮華の頂上から、5分ほど下ったところに、
白いコマクサがあると聞いて、下りましたが
その感じが続く物と思ってました
船窪子や 行きたいです
Commented by torajiro-joshu at 2012-10-09 17:55
★よしくにさん、こんにちは。
蓮華から先、裏銀座の辺は、たしかに日程が取れないと
ちょいとキツいですよね。
のんびり楽しみたいし…。

蓮華の大下り、そんなに厳しくはないですよ。
ただ、個人的には、天狗の大下りよりはキツいかなと…。

蓮華岳の白いコマクサは有名ですね。
ただ、2株程度だったような…。

船窪小屋、最高です!
来年は是非!
七倉〜船窪小屋〜烏帽子岳〜高瀬ダム〜七倉なら、
一泊二日でも可能ですし、このコースも可能ですからね。
by torajiro-joshu | 2012-09-16 23:59 | 山歩き | Comments(4)

私、寅次郎の好きな山、温泉、食べ歩き、愛犬(パグ)等に関して気ままに綴っていきます。


by torajiro-joshu