寅次郎がゆく!

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赤岳(2日目)赤岳往復

目覚めが爽やかだ!
こんなのいつ以来だろう?
ここ暫く、伊勢崎では「爽やか」なんて死語となっていたので、
いつ以来だか思い出せない。

とても涼しい、快適な一晩を過ごし、体調も大分良くなったので、
予定通り、山歩きをすることにする。

なでしこJAPAN、延長戦に突入となったのまで見届けて、赤岳に向かう。

天気予報では雷注意報が発令されている。
まぁ、午前中が勝負だろう。
最悪でも12時にオーレン小屋に戻ることを頭に入れながら、
臨機応変に行動することにする。
目標は、当然、12時迄に赤岳往復である。

オーレン小屋前のなだらかな道を夏沢峠へと向かう。
森の中の道は静か、先行者もほとんど見かけない。

静かな雰囲気を楽しみながら、ゆっくり目に歩く。
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ひと登りすると、夏沢峠。
硫黄岳の爆裂火口が、相変わらず荒々しい。



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あまり期待はしていなかったが、夏沢峠からは
想像以上に今回遠望がきいた。
確認していないのでよくわからないが、
おそらく榛名や赤城の、上州の山々が見えていたのではないかと思う。

小屋と小屋の間を通り、硫黄岳へと向かう。
爆裂火口の荒涼たるイメージとは異なり、
意外に緑豊富な中にできた登山道をゆく。
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森林限界に差しかかる頃、ふと右手をみると、槍〜穂高の稜線が見えた。
あまり期待していなかっただけに、これは嬉しい。
と同時に、あっち方面にも行きたかったなぁ…という思いも…。
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森の中の道も、いつしか平べったい石だらけの道にかわっていた。

それにしても…、知ってはいたが、硫黄岳は風が強い。
決して耐えられない程の強さではなかったが、
汗冷えで体が少し冷える。
でも、まぁ、熱風地獄よりは幸せと思い、楽しみながら歩く。
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硫黄岳頂上からは今日歩くコースがばっちり見渡せた。

あの爆裂火口の姿からは容易に想像できないが、硫黄岳の頂上はだだっ広い。
たしかに、ガスが出たら、道迷いしてもおかしくない。
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スパッと切れ落ちた縁をゆく人がいる。
ちょっとスリリングに思える。

相変わらず強い風の吹く中、横岳へと向かう。
さほど大きなアップダウンではないが、
硫黄岳山荘付近まで一旦下り、そこからまた登り返す。
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硫黄岳山荘から横岳へと続く登り。

一転して、こちらの道は、ゴロゴロした石と緑が目につくようになる。
硫黄岳との対比が面白い。
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横岳手前からは富士山が見えた!
頭に小さな笠を被っているもののばっちり。
台風が近付きつつあるので、期待してはいなかっただけに、かなり嬉しい。
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横岳頂上。

昨夏横岳に来た時には富士山は雲に隠れて見えなかったが、こんな風に見えるんだなぁ。

オーレン小屋を出て、1時間40分。
まぁ、ほぼ予定通り。
これなら午前中に赤岳往復は充分可能か…。
それでも、標高的には、未だ500mしか登ってないんだよなぁ…。
これから先もアップダウンが多いし、気を引き締めてゆく。
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三叉峰を過ぎた辺からみる、赤岳と富士山。
この姿は絵になる。

三叉峰からは一旦大きく下り、また登り返す。
この辺のルートは岩、岩していて、なかなか面白い。
また、そんな岩陰でも可憐に咲く小さな花々が、とても愛おしい。
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地蔵の頭にて。

お地蔵さん、よくぞこの過酷な環境の中…。
「今に限れば、お前の住んでる所の方が遥かに過酷じゃ」と
聞こえた気がした!?(笑)

赤岳展望荘前で、昨日の名古屋の青年に再会。
ほんのちょっと立ち話。
それにしても、彼はテント泊で、かなりのスピード。
正直言って、すごいな〜と思った。

ここからは最後のひと踏ん張り。
ここは正直言ってキツかった…。

小屋を出て2時間以上経つが、口にしたのは水と飴だけ。
震災前のように、ちょっとは体を動かしていれば良かったんだろうけど、
今はたいして動かしておらず、少し体力低下気味だし…。
基礎的な体力が下降気味の状況に加え、エネルギー不足が堪えたようだ…。

おまけに、ガラガラの石が積み重なる、滑り易い登山道。
石を落とさぬよう気をつけなきゃならないし、
また、落石に当たらぬよう注意しなければならない。
集中力を切らさないようにした。

ちなみに、このルート、下り時には、途中で追い抜いたパーティが上から
まとまった落石を起こして、場合によってはかなり危ない状況だった。

息を切らしつつも、なんとか頂上小屋まで辿り着く。
頂上は、そこからほんのちょっと先。
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赤岳頂上。

そこは立派な祠があった。
三角点は微妙に地味で、存在感があまりないように感じた。

遠望はきくものの、徐々に雲が空を覆いつくしてきていた。
山頂に到着した頃には見えていた富士山も南アルプスも、
時折雲に呑まれつつあった。
やはり、天気は確実に崩れつつあった。

名古屋の青年がやってきた。
相変わらず、早い。
ここでまた会話を交わし、いつかどこかの山での再会を願い、別れた。

山頂で軽くパンを口にしようと思ったが、
なんとなく休みにくい気がしたので、頂上小屋の方まで一旦戻る。

前日、来る途中で購入した、小諸市のパン屋さん・香色のパンは、
やはり、とびきりウマかった。
(しかし、運ぶ途中で崩れてしまい。写真は無し…。)

パンをいただきながらメール・チェック。
すると、なでしこJAPAN優勝!の知らせ。

お〜!と思わず声が出る。

最後まで戦い抜いた彼女達の力が、日本に、日本の人々に、
大きな力を与えてくれたような気がした。

おめでとう、なでしこ達!
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上空一面は雲がそれを覆うような状態になってしまったものの、
高曇り状態のせいか、槍〜穂高の峰々を始めとする北アルプスのそれらは
未だばっちり見えていた。
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今日歩いてきたルートを振り返る。

これからまた大きく下って、登り返し、小さなアップダウンを越えて、
こちらの側からはおおらかな表情を見せる硫黄岳を下り、森の中を歩き、
取り敢えずオーレン小屋へ…か…。
更に桜平まで下るから…、本日の行動は未だ2/5終了した程度か…。
わかってはいたけど、まだまだある。
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日ノ岳手前!?

荒涼たる岩、岩した風景が実にいい。
なんだか、別の山に来たみたい。
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三叉峰手前!?

こちらの岩の風景もなかなかいい感じ。
緑がついているせいか、幾分やさしさを感じるものの、よくみれば絶壁。
これが南八ヶ岳の一端の荒々しさのなんだと思う。
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横岳を越え、硫黄岳までの緩やかな稜線。

のんびりした雰囲気に思えるが、硫黄岳へ近付くにつれ、
この先は徐々に風が強くなってゆく。
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ゆるやかな斜面に咲くコマクサは丁度今が見頃だった。
いくつもいくつも楽しげに咲いていた。

硫黄岳の頂上に近付くにつれ、やはり、どんどん風が強くなった。
汗冷えで体が冷える…。
登山道の途中にある大きなケルンに時折隠れながら、
着実に登っていった。
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ぱっくり口を開けた爆裂火口に近付く。

あそこは登り下りできないものかと考えてみるが、
一度落ちたら最期、蟻地獄の蟻のようになっちゃうんだろうなぁ…。
と、ツマラナイことを考えてみる。
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硫黄岳より今日歩いてきた赤岳方向を振り返る。

こう見ると、かなり歩いてきたように感じる。

硫黄岳から離れれば、この景色ともお別れ。
取り敢えず、ここまで順調に歩けたことに満足し、
その景色を心に焼き付けた。
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平べったい石が重なる綺麗な道を、天狗岳の双耳峰を見ながら、
夏沢峠へと下ってゆく。

下ってゆく途中、ハイマツ帯から樹林帯に入る頃、
二人の登山者にすれ違う。
彼等の為に道をあける。

「あっ!」と思わず、声が出た。
すると、彼は”ニカッ”と笑い、「どうも」
俺も「どうも」

同じ登山者同士、それで全てが通じ合った。
互いの安全登山を願い、彼等は硫黄岳へ、俺は夏沢峠へ。
大自然の中での小さな出会い。
(↑一部フィクションあり!?笑)

果たして、その方は野口健氏でありました。

峠に着く頃、再び空腹を覚える。
けれど、どうせ何か食べるならオーレン小屋に戻ってからにしようと思い、
森の中の道をそのまま下ってゆく。

オーレン小屋に着くと、今度は「あれっ!?」
小屋で楽しい一時を一緒に過ごさせて下さった、
長野、和歌山の親娘さんが休憩中だった。

彼等は天狗岳で本日の遠望を楽しんでこられたのであった。

ここで、お互いの本日の山行を語り合い、また楽しませていただいた。
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オーレン小屋から硫黄岳はまだまだよく見えるものの、
どんどん雲の厚さは増していった。

香色のパンを再びいただいた後、小屋で手ぬぐいを購入し、
宿の方に挨拶し、桜平へと下ったゆく。

下山途中、親娘さんに最後の挨拶といつの日かの出会いを約束し、
森の中を満足感とともに下っていった。



[コースタイム]
オーレン小屋(-/5:55)〜夏沢峠(6:09/6:15)〜硫黄岳(6:51/6:55)〜
硫黄山荘(7:07)〜横岳(7:33/7:38)〜三叉峰(7:46)〜赤岳展望荘(8:12/8:14)〜
赤岳頂上(8:35/9:11)〜三叉峰(10:02)〜横岳(10:10/10:14)〜硫黄岳(10:54)〜
夏沢峠(11:19)〜オーレン小屋(11:29/12:06)〜夏沢鉱泉(12:23)〜桜平(12:35/-)



早咲きのコスモスが静かに揺れていた。
切なく、それでいて、凛とした佇まいで…。

君はいた。
たしかに…。
そして、今はずっと心の中にいる。
俺達家族の心の中に…。


帰路、高速道路での渋滞を避け、国道254号で帰った。
佐久のコスモス街道を走り抜ける時、涙が出た。

愛犬ジュリアが、ろくでなしの獣医に殺される前に、
家族で楽しそうに長距離ドライブした、おそらく最後の地だった。

コスモスの咲く中、楽しそうに一緒に歩く、元気なジュリアが見えた気がした。

遠いどこかで、ジュリアが楽しくやっていますように…。
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Commented by でん at 2011-07-21 01:13 x
同じ日に歩いていたのですね!
寅次郎さんが赤岳を歩いているのが見えましたよ~(^^)
雲が高くて遠望がききましたよね。

地蔵尾根のお地蔵さん、確かイケメンでしたよね?
野口さんとの出会い、その他の方たちとの出会いありのいい山歩きだったようで何よりです。

最後がしんみりしちゃったのでコメントしづらくなってしまいました・・・。
Commented by torajiro-joshu at 2011-07-21 21:22
★でんさん、こんにちは。
こちらからも柏原新道をゆくでんさんの姿が見えましたよ。(笑)
あの日は、そちらからも見晴らしがきき、
かなり楽しめたのじゃないでしょうか?

そう言えば、お地蔵さんのお顔はよく拝見しませんでした…。
今度行ったら…って、いつ行くんだ!?

今回も楽しい出会いがあり、とてもいい山行でした。
野口氏とは本当にすれ違って、「どうも」、「どうも」と言葉を
交わしただけです。

最後は…すみません。
あそこを通った時、揺れるコスモスを見たら、
愛犬ジュリアのことを強く思い出し、涙が出てきてしまい、
また、帰り道も、ある意味山行の一つのような気がしてたので…。
Commented by くに at 2011-07-22 06:56 x
良い出会いに山でしたね
懐かしい風景、思い出しながら楽しませていただきました
>「今に限れば、お前の住んでる所の方が遥かに過酷じゃ」
には納得!! この虎次郎さんの感性は素晴らしい パチパチパチ

愛犬ジュリア 思い出してもらってきっと喜んでますよ
いつも心の中に  ですね
Commented by torajiro-joshu at 2011-07-22 21:44
★くにさん、こんにちは。
体調イマイチながらも出掛けて良かった!と思えた山行でした。
個人的には、八ヶ岳は近くていいです。

オーレン小屋まで入れば、稜線も近いですね。
涼しいし、また行きたくなります。

お地蔵さんのいらっしゃる場所は涼しくて、本当に良かったです。
まぁ、雷が来たら…と思うと、ゾッとしますけど…。

愛犬ジュリアは、いつも心の中にいるとは思うんですが、
全然出てきてくれません…。
でも、見えないところで楽しくやってくれてるんでしょうね。
あたたかい言葉、ありがとうございます。
Commented by かおちゃn at 2011-07-24 12:16 x
ご無沙汰しております。
寅次郎さんの山歩きのレポートは、いつも感動的です。
今回も楽しく引き込まれてしまいました。
最後の寅次郎さんのジュリアへの思いは、切なくなります。
こんなに思われて、きっと今でも幸せにしていることでしょう。

私は昨日、寅次郎さんのお気に入りの吾妻山へ行ってきました。
運動不足の身体にはきつかったです。
驚いたのは、散歩?ジョギング?のような方がたくさんいたことです。
行きは男坂、帰りは女坂でしたが、とても楽しい山歩きになりました。
帰りはいつものお店で日本酒を購入。

先日、遊歩へ行った時、奥さんが、寅次郎さん最近見えないのよ
っておっしゃってました。

Commented by kaochan at 2011-07-24 12:17 x
すみません。↑↑ 名前、kaochan でした。
Commented by torajiro-joshu at 2011-07-24 23:34
★かおちゃんさん、こんにちは。
こちらこそ、ご無沙汰しております。
お元気にされていたでしょうか?

我が山行記、お褒めいただき、ありがとうございます。
楽しく読んでいただければ幸いです。

ジュリアは本当に本当に大事な家族の一員でした。
その命を虫けら同然に扱った獣医が許せません。
また、そんな獣医を信じて預けてしまったことに後悔が
消えることもありません。
本当に、楽しくやっていてくれればいいです。

なんと!かおちゃんさんは昨日吾妻山に…!
自分も休みだったら、行っていたと思います。
そしたら、お遇いしてたかもしれませんね。
吾妻山は桐生市民のグラウンドに近いようなものが
あるかもしれません。
それゆえ、軽装の人もかなり見受けられます。
かく言う自分も、大体は、ペットボトル1本だけ持って
登るクチですが…。

暑い日に、キンキンに冷えた日本酒も堪らないですよね。

遊歩、実は何度か足を運んでるんですが、
駐車場が混んでいるのでUターンや、
お店に向かう途中、赤いサイレンの付いたバイクにインネンを
つけられ、やむなく帰宅というようなアクシデントもあり、
昨年末以来うかがえてません…。
Commented by takebow at 2011-07-26 18:52 x
寅次郎さん、ご無沙汰しております。山の楽しい写真を拝見でき、とても幸せな気持ちになります。特にコマクサがあんなにも群落になっていたのに感動です(小生が登った頃に保護育成を始めていたのです)。八ヶ岳の核心部分=赤岳往復をされるとは流石です。
Commented by torajiro-joshu at 2011-07-26 20:47
★takebowさん、こんにちは。
こちらこそ、ご無沙汰しております。

山の涼しい雰囲気が少しでも伝われば幸いです。

硫黄岳〜横岳間の斜面に咲くコマクサの群落は素晴らしかったですよ。
多くの方の「保護育成」の努力の賜物なんでしょうね。
おかげで、こうやって、自分などは楽しませていただきました。

今回のコースはバラエティに富んでいて、楽しかったですよ。
森あり、岩場あり、お花畑ありと…。
交通の便さえ良ければ、南北縦走なんてのも、きっと楽しいですよね。
by torajiro-joshu | 2011-07-18 23:59 | 山歩き | Comments(9)

私、寅次郎の好きな山、温泉、食べ歩き、愛犬(パグ)等に関して気ままに綴っていきます。


by torajiro-joshu